最高品質と人のため、を両立する仕事、実現とはどんなことなんだろうか?
ギョンにとって、まず何よりメイドイントルコであるということです。
この国の商品であり、この国の人が製作するということです。
エンギンさんは当然製作に携わりますが、同時に熟練のスタッフにより、大量生産できなくとも、職人技術で納得のいく製品を生み出します。
同時にイスタンブールにある3か所の工場から近隣に住む主婦たちに仕事のチャンスを与えています。
トルコの女性は元々ハンドメイドの針を使う技術は普段から優れていていますが、6ヶ月から1年のプロの技術を修得の上で制作に携わることができます。
ゲージをあてて縫い穴とか作ります。 トレーニングをしています。他の方はもちろん、皆さんほんと、いい顔をしてるんです! しっかり手作業でいい仕事しています。
製作のパーツを自分の家に持ち帰り、作り上げる。それを会社に持ち寄るという作業です。
従ってギョンは工場にしかない特別なミシンなどは一切使わず、手縫いの鞄なのです。それは先に述べた市民へのしごとの提供、社会貢献を目的にしてることと同時に、手縫いしかできない部分を大事にしたいがために、これはミシンを使ってはできないまさに手仕事であり、質の高さを維持できます。
実際ギョンではハンドメイドという言葉は使わず、ハンドクラフトという言葉を使っています。
またレザー製品は、さまざまな保護加工を用薬によってされますが、ギョンは作り手はもちろん、購入し使うユーザーに対してもがんの原因になるような物質は一切使用しません。
植物性の革保護の染料ではアメリカ製のどんぐりから抽出した自然の保護剤のみを使用しています。
製作する人々を有害物質から守り、安心して自宅での製作にかかわることができます。当然ながら、購入者も安心して一生使うことができるというわけです。
縫い穴の指示するやつね。 これも牛の角。プラスチックじゃない。 こうやって型をあてて、
中の生地。もちろんトルコ製。東部ガジアンテップのもの。 いい感じ。
革の保護仕上げ剤です。これしか使いません。健康にわるい影響のあるものは一切なし!です。
使う人はもちろん、作るひとも素手で作業ですからね。体に悪いものじゃないってことの証明。
磨くと革のいい存在感に。これはメンズのビジネス用。仕上げ前と仕上げ後。
そのため、シリーズであっても、一つとして同じものがない。手製ということもあるし、手にした人が触った時からその人の手のあとから同じ時間をエイジングしていくアイテムになっています。
メーカーがどれも同じ製作によってカタログ販売を可能にしていることからすると大量に販売を確保するにはとても不利なことはもちろん承知。
たとえ少量生産しかできなくても、使う人や作る人全てを大事にすることが最優先なのがギョン。健康リスク、そして守るべき最高品質を犠牲にしてまで販売数を増やすことは会社の再興のモチベーションとしてないのである。
例えば使用する金具はアメリカ製錆びない体にいいものを採用。
例えばファスナーは、品質の良いYKKのエクゼラを採用。
(日本とのつながりがありましたぞ!!いやーうれしいですね!)
パーツです。こちらも色々あります。
デザインの草木をモチーフしたデザインコンセプトは、オーナーであり製作者のエンギンさんのインスピレーションから生み出されます。
これまでに様々なメーカーで培ったデザインセンスは、他の鞄とは一線を画するが、自然を大事にイメージするボタニカルなデザインが多いとのことです。
そのあと色々な作品(あえてそう呼びますが)を見せていただきました。
どれもいいですね。昨今の軽さ追求にはない、革本来のどっしり感が一生ものの貫録を見せます。
仕事のこだわりは、次の写真にもわかります。
左ではどうも気にいらず、手間もコストもかかるけど右の作りにされたとのこと。まさに職人かたぎ!ですね。
お話しを終えたあと、ふと帰る頃に気づいたのですが、いわゆる工場のにぎやかな音を聞くことはありませんでした。
ミシンのリズミカルな音を予想してたのに、いい意味で裏切られました。まさにハンドクラフト!
しずかな環境でいい仕事が生まれます…。
その後、エンギンさんにお会いすることができました!
もの静かな、まさに紳士な方でした!
いい人とモノに出会い、すてきな時間でした。
エンギン アルタシュさん(ショップ イスタンブールEDOにて)